復刻商法に思ふ

スポンサーリンク

セイコー 「クラウン クロノグラフ」のデザインをオマージュ

SARX069

先日、セイコーからクラウンクロノグラフの復刻デザイン時計が発売された。

f:id:shiratsume:20200225135655j:plain
写真は下記セイコー公式webサイトからの転載です

www.seikowatches.com

www.seikowatches.com

 クラウンクロノグラフの復刻だけど、クロノグラフ機能はない。つまり自社デザインの復刻なのです。自社の過去の製品に対してオマージュという言葉を使うのも違和感があります。まあオマージュという言葉は便利だよね。悪いイメージはない。ここでデザイン転用とか再使用とか書くと手抜きをした感じがあるから使えないよね。ものは言いようです。

 SARK015

先に補足をしておくと、セイコーは昨年12月にクロノグラフ機能のあるクラウンクロノグラフを復刻している。

f:id:shiratsume:20200225140035j:plain
写真は下記セイコー公式webサイトからの転載です

www.seikowatches.com

www.seikowatches.com

8R48を搭載して、ずいぶんと大きくなり機能も追加されているが、デザインはクラウンクロノグラフをできるだけ踏襲しているため、全体の雰囲気はよく似ている。

クラウンクロノグラフは、3針のクラウンのムーブメントを改造してクロノグラフを追加したのです。3針の6Rムーブメントにクロノグラフ機構を乗っけたのが8Rムーブメントですから、まさに現代のクラウンクロノグラフと言っても違和感はない。

元々のクラウンクロノグラフのデザインが素晴らしいだけに、この新しいクロノグラフSARK015も上手くまとまっていてカッコいいと思う。とても38万円の時計は買えないのですが、私に資金力があれば購入したかもしれません。

 限定1000本だけど、まだ残ってます。38万円の時計はそうそう売れませんよね。


やっぱりこうなるよね

話は戻り、今回の復刻デザインのSARX069は、デザイン転用時計です。 

 1964年の「クラウン クロノグラフ」のデザインを、可能な限り忠実に再現。ということだけど、デカ厚の流れがあるので、オリジナル(37.6mm径)のよりもずいぶんと大きく(41.3mm径)なっています。これは『カレンダーをつけないと気が済まないマン』がいるからでもあります。カレンダー位置は決まっているので、クラウンクロノグラフの文字盤のインデックスにカレンダー窓を合わせたら大きくするしかありません。

4Rにはオープンハートムーブメントがあるのだから、4R・6Rにノンデイト設定するのは簡単なはずだけど、頑なに機械式ノンデイトを拒むのはなぜだろう?『カレンダーをつけないと気が済まないマン』の発言力が強いのかな?クオーツなら少し前のジョブズ シャリオ復刻とか、ゴールドフェザー復刻とかノンデイト出してるのにね。このクラウンクロノグラフも忠実に再現すれば良いのに。この時計欲しがる層はカレンダー求めてないでしょう。文字盤設計の自由度も格段に高くなるしさ。ほんまよおわからんこだわりじゃのお。

オリジナルのクロノグラフにはあまり実用性がありません。8Rを搭載したクロノグラフだと高価なので、優れたデザインを転用した3針時計にするのも理解できます。邪推ですが、回転ベゼルや針などは共通部品なのかもしれません(未確認)

6R搭載機で、9万円ですから割高な感じがします。しかもコアショップ専用モデルということなので、一切の値引きができません。各色1964本限定だから即完売することはないでしょうけど、熱心なセイコーマニアには売れるのでしょうね。私もマニアだけど肝心な資金がありません(笑)

 

復刻商法考察

復刻商法は、現代では確実に利益を上げられる常套手段です。特にセイコーは世界トップを走っていた輝かしい過去があり、名機と言われた資産がたくさんあります。シチズンやオリエントも復刻モデルを発売しますが、セイコーほど話題になりませんし転売屋が買い占めることもありません。

現在国内シェアは、カシオ(34%)シチズン(33%)セイコー(29%)と3社が独占しています。カシオはGショックが有名ですが時計は後発です。シチズンにも過去の名機はたくさんありますが、セイコーほど復刻を乱発することはありません。

シチズンは国内の機械式時計にはあまり力が入ってなく、ラインアップもシチズンコレクションメカニカル以外に機械式はほぼありません。Eco-Drive Oneで薄さを追求したり、年差1秒のCaliber 0100、デュラテクトという表面硬化技術など、新しい技術で勝負しています。しかしシチズンはここのところ時計が売れずに利益が上がっていません。

マニアは新しい技術にワクワクし注目しますが、その技術でつくられたモノが売れるとは限らない。腕時計そのものがハイテクノロジーではなく、むしろ懐古主義を売りにしている時代になっているのでしょう。

ハイテクノロジーと言えば原子時計でしょう。腕時計に搭載できるサイズになるのはもうすぐだけど、クオーツ発売の時のような衝撃はないと思う。

話が脱線しました。


今の時代、データや評価が重要視されるのです。映画だって売れた続編ばかりだし、外食だってネットの評価システムを見て決めている。ブランド化したロレックスを皆欲しがります。

復刻は企画するのも簡単。諸条件は変わるから設計は最初からだけど、デザインは踏襲するわけだから新製品よりも楽でしょう。中古市場でも人気のある名機は、マニアが少しでも程度の良い個体を血眼になって探しているのだから、忠実な復刻が発売されると買うに決まっているのです。私もそうやってセイコーの復刻時計をいくつも買っています。

セイコーも確実に利益が上げられるし、マニアは欲しい時計の複製が手に入るのだからwin-winなわけです。セイコーの利益が上がれば、また魅力的な時計を開発してくれるに違いありません。

セイコーの新製品はここ数年購入していません。庶民が買える価格の復刻以外の時計に魅力がありません。でも30年以上前の時計もオーバーホールしてくれるセイコーが好きです。セイコーもユーザーも過去の資産に依存してるのかもしれません。これからも復刻に期待して買い続けるしかないのでしょう。


余談ですが、今年は現代解釈版のセカンドダイバーが発売されるそうです。12~15万円くらいらしいなので、どちらにしても縁は無さそうです(泣)もう復刻サードダイバーのときのような盛り上がりは起こらないのでしょうね。安価な時計は数を売らなければならないから、ペイするためのカラバリ商法とか色々面倒くさいのでしょうね。